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【か強診・口管強とは?】2024(令和6)年度の歯科診療報酬改定を解説!

著:ミホ /

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2024(令和6)年度の歯科診療報酬改定の目的

か強診と口管強を理解するために、まず変更の原因となった2024(令和6)年度の歯科診療報酬改定の全体像を見てみましょう。今回さまざまな視点からの改定がありましたが、まとめると以下のようにいくつかの目的があって改定されたことがわかります。

か強診・口管強に関わるのは1つ目の「かかりつけ歯科医」の評価という部分です。かかりつけ歯科医は、乳幼児期の口腔機能の獲得から、成人期のう蝕予防、歯周病予防、老年期の口腔機能の回復といったように、生涯を通じた口腔の健康維持に継続的に寄与する医院を指します。
これまでもかかりつけ歯科医という考え方は推し進められていましたが、今後はこれに加え、「口腔機能管理に関する要件も満たす医院」を評価するというのが今回の改定です。
その他、歯科に関わる人材の確保・賃上げを目的とした改定も行われました。コデンタルスタッフや40歳未満の勤務医等の賃上げを実現するため、賃上げに必要な診療報酬の創設および初・再診料の引き上げを行うとしています。

か強診・口管強の違い

まずか強診(かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所)は、2016年度の診療報酬改定で新設されたものです。その目的は、先述のようなかかりつけ歯科医機能の推進です。か強診の届出をした歯科医院は、予防歯科に関する項目やSPT、訪問診療等の場面で診療報酬の加算が可能でした。そのため届出をしていない歯科医院に比べると、予防管理に注力しやすいというメリットがありました。

それに対して口管強(口腔管理体制強化加算)は、これまでのか強診と同様、かかりつけ歯科医機能や予防歯科を推し進めるためのものです。「か強診」という項目自体は廃止され口管強へと改変されましたが、実質的には名前が変わっただけですべてが一新されたわけではありません。一部を引き継ぎつつ、よりニーズに合わせていくつかの項目が追加されたというイメージです。

口管強の届出によるメリット

か強診と同じく、届出をしていることにより以下のようなメリットとデメリットがあります。

●歯科医院が感じられるもの
・売上増加が見込める
・より効果的な歯科医療を提供できる
・患者からの信頼獲得・他院との差別化につながる など

最大のメリットは、売上増加が見込める点でしょう。以下の通り、届出をしていない歯科医院に比べると、高い点数を算定できる項目が多くあります。また届出をしていない歯科医院に比べて算定可能な間隔が短い項目もいくつかあるため、算定回数が増加し売上増加につながります。

●患者が感じられるもの
・予防に関する処置を保険適用で受けられる
・予防処置(スケーリング、PMTC、フッ化物塗布等)を毎月受けることができる
・訪問診療を保険適用で受けられる など

患者はより予防処置等を受けやすくなり、受診のハードルが下がったことでう蝕や歯周病の予防を進めやすくなったと言えるでしょう

か強診から口管強への切り替え・届出方法

口管強の施設基準は厚生労働省の資料をご覧ください。基準を満たしていれば、地方厚生局に届出を行います。書類は各地方厚生局のサイトから入手可能です。

なお、か強診の届出済みの歯科医院は、今回の変更に伴い2025年5月31日までは施設基準を満たしているとみなされます。それ以降も口管強として算定を続けたい場合は、2025年5月末までに追加された要件を確認し、書類の再届出が必要です。

まとめ

2024(令和6)年度の歯科診療報酬改定をはじめとして、患者に提供するケアを定期的に見直すことは重要です。歯科医師は新しい加算制度を理解し、臨床に活かすことで、患者の健康と信頼を守り続けることができるでしょう。

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著者紹介

ミホ

東京医科歯科大学卒業後、都内歯科大学病院に勤務。退職後はフリーランスの「歯科衛生士ライター」として活動し、ライターの指導や教育、ディレクションも行う。自身で制作・運営を行なっていた歯科メディアは販売を達成。大学の卒業研究では日本歯科衛生学会の学生研究賞(ライオン歯科衛生研究所賞)を受賞。現在はDentalMonitoringJapanに勤務し、2児の母でもある。
Instagram:@toothteethtokyo