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これで変わる!小児歯科の自費率アップ術を歯科衛生士が徹底解説

著:nishiyama /

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1.小児歯科の売上の基本

1-1.保険治療の位置づけ
日本では地域によって異なりますが、多くの自治体で小児の医療費が無料となっているため、親たちは基本的に保険の範囲内で治療を受けることを希望します。これは、経済的な負担を軽減するための理にかなった選択と言えますが、歯科医院としては、売上の向上を図るために自費治療への移行を目指すことが求められます。

1-2.自費治療の主流は矯正治療
小児歯科での自費治療の大部分は小児矯正治療です。子どもの歯並びを整えることで、見た目の美しさだけでなく、全身の健康にも良い影響を与えます。 しかし、全ての保護者が矯正治療の重要性を理解しているとは限りません。
もちろん、上記に記載している通り、保険適応の範囲での治療を望む方も多くいらっしゃいます。

小児歯科で自費診療の売り上げを上げるためには、まず保護者に対する教育が鍵となります。なぜ自費診療が個々の子どもにとって必要なのかを明確に伝えることが、保護者の理解と納得を得るための第一歩です。
以下にそのポイントを詳述します。

2.保険診療から自費診療に移行するためにできること6つのステップ

2-1.なぜ自費診療が子どもにとって必要なのか?
自費診療の提案に際しては、まずその治療が子どもにとってどれほど重要であるかをしっかりと説明する必要があります。例えば、歯並びの矯正が子どもの将来の口腔健康にどれだけ寄与するか、う蝕予防や全身の健康にどれだけ効果的かを具体的な症例写真や事例を用いて示します。
科学的根拠や過去のデータを示すことで、保護者に安心感を与え、治療の必要性を納得してもらえます。

2-2.保護者への教育
保護者は多忙であり、また歯科についての専門知識も限られていることが多いです。そのため、治療の必要性やメリットを簡潔かつ分かりやすく説明することが重要です。
医院説明会や個別相談の場を設け、具体的な質問に答える機会を提供することで、保護者の疑問や不安を解消します。
また、パンフレットやウェブサイト、SNSを活用して情報を発信し、保護者がいつでも情報を確認できるようにしておくと良いでしょう。

2-3.個々の子どもにとって大切な治療であることを話す
治療の重要性を保護者に伝える際には、私たち歯科医療従事者が「自分の大切な人や家族」だと思って話すことがポイントです。
子どもの未来を見据えた時「もっと歯並びがよくなったら人生が豊かになるかも」
「歯科でその子の将来をサポートしたい」
このようにどれだけ患者様を大切に思っているか伝えることで、保護者は治療の価値をより深く理解し、自費診療への投資を前向きに考えるようになります。

2-4.無料(保険治療)の段階からの感動
保険治療の段階から、「これで本当に無料なの?」という感動を保護者に与えることも重要です。毎回1つの感動を与えられるとクリニックを好きになります。保険治療でも丁寧な説明やアフターケアを行い、信頼関係を築いていくことで、保護者は私たちからの自費診療の提案を受け入れやすくなります。

2-5.お金を出すのは保護者ということを忘れない
子どもの治療費を支払うのは保護者です。したがって、保護者の信頼と理解を得ることが何よりも重要です。治療のコストだけでなく、その価値や効果についても丁寧に説明し、納得してもらうことが必要です。分割払いや医療ローンなどの柔軟な支払いプランを提案することで、経済的な負担を軽減することも一つの方法です。

2-6.子どもの未来を想像させるための道をつくる
最後に、子どもの未来を想像させるための道を作ることが、自費診療の売上を上げるための重要なステップです。子どもの健康な歯が将来の生活にどれだけプラスの影響を与えるかを具体的に示します。例えば、健康な歯が自信や社会的な成功に繋がること、矯正治療が早期に行われることで将来的な大きな医療費を節約できることなどを説明します。これにより、保護者は自費診療への投資を前向きに考えるようになります。

以上のポイントを押さえることで、小児歯科での自費診療の売上を効果的に上げることが可能となります。保護者への教育と信頼関係の構築が成功の鍵です。

Introduction

著者紹介

nishiyama

歯科大学歯科衛生士学科卒業後、小児患者や障害者の歯科診療体制や、歯科恐怖症患者について学ぶため歯科大学付属の専攻科へ進学し口腔保健学学士を取得。その後は小児歯科専門歯科医院にて勤務。歯科衛生士ライターは「歯科に苦手意識を持っている人が媒体を通して理解し、歯科を身近に感じることで歯医者に行ってみよう」という気持ちになることを後押ししたいという思いから学生時代に始めた。