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Dentwave編集部レポート:第2回日本小児口腔発達学会学術大会

開催概要

大会名:第2回日本小児口腔発達学会学術大会
開催日:2025年2月23日(日)・24日(月・祝)
1日目10:00~17:30(懇親会18:00~20:00)
2日目9:00~16:30

会場:東京国際フォーラム ホールB7・B5
大会長:森伊津(千葉県浦安市 なないろこども歯科 院長)
大会準備委員長:末延慎司(静岡県静岡市 すえのぶクローバー歯科医院 院長)

本大会は2日間にわたり開催され、1日目はシャロン・ムーア先生が主に登壇されました。私たちは2日目に参加し、取材いたしました。

はじめに

第2回日本小児口腔発達学会学術大会が開催され、歯科医師・歯科衛生士をはじめ、助産師、理学療法士、言語聴覚士などの多職種が一堂に会し、最新の研究や臨床実践について活発な議論が交わされました。本レポートでは、Dentwave編集部が注目したセッションを中心に、その内容を詳しくお伝えします。

学会の概要

本学会は、日本小児口腔発達学会が主催し、様々な医療専門職が協力して開催されました。会場には1000名を超える参加者が集まり、38社の協賛企業も参加しました。今回は、助産師、理学療法士、言語聴覚士によるセッションが特に注目され、それぞれの専門分野から見た口腔発達の課題と支援方法について、多くの示唆が得られました。

助産師セッション「お腹の中から始まる口腔機能発達支援」


本セッションでは、胎児期からの口腔機能発達の重要性が議論されました。赤ちゃんの姿勢や動作が口腔機能に与える影響についての解説があり、母体の姿勢や骨盤の状態が出生後の哺乳や咀嚼能力に関わることが示されました。

主なポイント

  • 胎児は子宮内で口の動きを経験しており、出生後の口腔機能発達に影響を与える。
  • 母体の姿勢や骨盤の状態が、赤ちゃんの哺乳や咀嚼能力に関わる。
  • 妊娠中からの適切な姿勢やセルフケアが、口腔機能発達を促進する可能性がある。

今後の課題
胎児期からの口腔機能発達支援の重要性が明らかになったものの、助産師と歯科医師との連携がまだ十分に確立されていない現状が課題として挙げられます。妊娠期からの適切な姿勢指導やセルフケア指導の具体的な方法を確立し、産後の母子ケアにおける多職種連携をさらに推進する必要があります。

理学療法士セッション「姿勢と呼吸から導くGrowth Optimization」


このセッションでは、呼吸と姿勢の関係性について講演が行われました。顎関節や頸部の発達が呼吸機能に及ぼす影響が解説され、多職種連携による包括的なアプローチの重要性が強調されました。

主なポイント

  • 口呼吸の習慣が姿勢の崩れを引き起こし、健康リスクを高める可能性がある。
  • 口腔機能の発達には、姿勢と呼吸の安定が不可欠。
  • 低体重児や発達性運動協調障害(DCD)との関連性についての新たな知見が提示された。

今後の課題
口腔機能と姿勢の関連性を考慮したリハビリテーション方法が求められていますが、現場ではまだ標準化されたアプローチが確立されていません。理学療法士と歯科医師が連携し、成長期の子どもに適した姿勢・呼吸トレーニングを体系化し、臨床に取り入れることが急務とされています。

言語聴覚士セッション「言語発達と小児口腔発達」


このセッションでは、言語発達と小児の口腔機能発達の関係について講演が行われました。言葉の発達を支える環境要因や親子の関わりの重要性が強調され、保護者支援の視点からST(言語聴覚士)の役割や連携の必要性について議論が行われました。

主なポイント

  • 言語発達は、聴覚・口腔機能・社会的環境の相互作用によって進行する。
  • 咀嚼や嚥下の発達が、言語発達に影響を与える可能性がある。
  • 保護者の関わり方が、子どもの言語発達を大きく左右する。

今後の課題
言語発達支援において、多職種連携の重要性が指摘されながらも、実際の連携が十分に機能しているとは言えません。特に、保護者への支援をどのように効果的に行うか、科学的根拠(エビデンス)に基づいた実践を確立することが求められています。保護者の理解を深め、家庭での支援がより効果的になるような仕組みを構築する必要があります。

総括と今後の展望


本学会を通じて、口腔機能の発達には妊娠期からのケアが重要であることが再確認されました。また、歯科医療従事者が助産師や理学療法士、言語聴覚士と連携し、より包括的な支援を提供することが求められています。

主なポイント

  • 産前産後ケアにおける口腔機能発達支援の導入。
  • 姿勢と口腔機能の関連性に関するさらなる研究の推進。
  • 最新のエビデンスを踏まえた実践的なプログラムの提案。

今後の課題
次回の学会では、より多職種の連携を深めるセッションが企画されることが期待されます。Dentwave編集部では、今後も学会の最新情報をお届けし、歯科医療従事者の皆様に役立つ情報を発信してまいります。

Introduction

著者紹介

Dentwave

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